い ち ご み る く


なんとかあたしは文章を読み
アイツにお礼を言って
教科書を返した。


「・・・・・・・・・あとでお礼しろよ。」

「は?」

「貸してやったんだから
何かお礼しろよ。」

「何かって何よ。」

「・・・・それは俺が決めとく。」




なんだこの男。
教科書の一冊や二冊貸したくらいで
お礼しろなんて。


そう思ったけど
言ったところで勝てそうにないし
言わないでおこう。


どうせ
「昼飯おごれ。」とかでしょ。



そうしているうちに
あっという間に昼休みになった。

森山はおごれなんて言わずに
どこかに行った。


あたしはなっちゃんと机をつけて
お弁当を食べていた。


するとそこに
「美月さん。ちょっといい?」

見知らぬ男子が立っていた。
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