ひまわり~秘密の愛言葉~

泣いて、泣いて、泣きまくった。

もう 何が悲しいのかも
分からなくなるくらい。


晴香に電話して、
泣きじゃくりながら相談した。

晴香は、ただ黙って
うん、うん…と話を聞いてくれて、最後は優しく

「よく頑張ったね。」
って言ってくれた。

ただの同情や
慰めの言葉なんていらないって思ってたから、そのシンプルな答えが素直に嬉しかった。


「あんまりネガティブに考えちゃダメ。逆に考えれば、一之瀬とアンタが先生と生徒って立場の限り、アイツがアンタを避けたり無視したりなんてまず出来ないよ。てか、アイツはそんなことするようには思えない。」
晴香は言う。

「もうダメだって思うより、また少しずつ、話せるようになるように努めるべきじゃない? 気まずいのは、アンタだけじゃないんだし。未来が、また自然に接することが出来るようになれば、先生として一之瀬も嬉しいと思うけどな。」

晴香は続けてそう言った。
この言葉には心を打たれた。
そうだよね…前向きに考えなきゃ…。


「とりあえず、話を聞くだけなら私だって出来るから。何かあったらいつでも電話して。私に出来ることがあるなら、頼ってよね。」


晴香は、最後にそう言ってくれた。不器用な優しさが嬉しくて、また涙が出たんだ。


晴香に聞いてもらえたおかげで、少し気持ちが晴れた気がする。ありがとう、晴香…。


机の上にある
元気なひまわりの造花を見てると、少し胸が切なくなる。


でも、いつまでも こんなんじゃいけない。

いくら後悔したって
いくら悩んだって

時間を取り戻すことなんて
出来ないんだから。


先生と、また自然に話せる日が来るように
前向きに頑張るしかないよね。

それに、これからも
先生のこと…好きでいる。


ちゃんと気持ちの整理がつくまでは、いいよね……?


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