ひまわり~秘密の愛言葉~

校長の長い話。
ちゃんと聞いたことなんて
一度もない。

ただ、立ちっぱなしの足の痛みを我慢しながら、まだかまだかと聞き流す。


昨日、あんなに気合いを入れていた私だけど。

今日は時間割が変わってて、
あるはずの数学がなかった。


実際、会うのは気まずいと思うけど…でも 自然に話せるようにならないと いつまでも、何も変わらない。


だから、ちゃんと今までみたいに話せるようになりたかった。
なのに、神様は意地悪で
私の邪魔をする。


数学がなければ、先生と出会うことって めったにない。


隣のクラスに行くために
私たちの教室の廊下を通って行くことはあるんだけど。


もう今日は 諦めるしかないのかなぁ…

ちょっとショックかな……。



そうこう考えてるうちに、
校長の話も終わったみたい。



『他の先生方から何かありませんか』という、生徒会の人の声。

すると、
いつもは何もしないはずの先生が、

「はい。」
って手を挙げて 前に出る。


先生が全校朝礼で話すなんて、初めて見る気がするんだけど…。

何気なく眺めていたら、
先生と一瞬目が合った。

つい、目を逸らしちゃった私のバカ。

「今日は 時間割に変更があって、時間も短縮になってます。授業の開始時間などは、各自で確認して行動するように。以上!」

先生はそれだけ言うと、
また後ろの方へ戻った。


ああ…行っちゃったぁぁ。


後ろから 肩をポンポンと叩かれる。
晴香だった。


「今、一之瀬、未来のこと2回ぐらいチラ見してたよーっ。やっぱ気にしてたんじゃない?アイツもー♪」

耳元で コソコソとそんな事を言われる。

少し嬉しくなる私。
先生が、ホントに私のこと気にしてくれてるならいいのになぁ……。


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