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第1話 自慢のお兄ちゃん
外はカラッと晴れていて絶好のお天気日和。
制服のブレザーに着替えてから部屋を出て、リビングのソファーでコーヒーを飲んでいる人影を見つけて声をかけた。
『楓(かえで)!おはよー!』
「あぁ、結衣(ゆい)。おはよう」
楓はマグカップを前のガラステーブルに置くと、朝の経済ニュースに見入った。
『あれ?灰希(はいき)は?』
「まだ寝てるんじゃない?」
『え!もう7時なのに!?』
「昨日夜中までゲームやってたみたいだよ。僕の部屋まで音が漏れてたし」
楓はうんざりしたように溜め息混じりで答えた。
『またゲームやってたの?』
灰希のゲーム好きにはことごとく呆れてしまう。
次の日が学校だっていうのに、普通夜中までゲームやる神経がわからない。
ゲーム好きでは無い私にはわかりたくも無いけどね。
仕方がなく寝ている灰希を起こす為、リビングを出て廊下の並びにある灰希の部屋をノックした。
『灰希?起きてる?』
声をかけてみたが一向に反応が返ってこない。