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これは完全に寝てるよね…。
直接部屋に入って起こしてもいいけど、でも前に部屋の中に入ったら怒られたし中々入りにくい。
『灰希!起きてってば!遅刻しちゃ、いっ!!』
突然開いたドアに私の顔面が見事に直撃した。
あまりの痛みに顔をしかめ、ぶつけた鼻を押さえながら上を見上げた。
「あ、いたのかよ」
支度を終えて出てきた灰希は、鼻を手で抑えている私を見てしれっと言った。
『いたのかよ。じゃないよ!顔面ぶつけちゃったじゃん!』
「あー、朝から五月蝿いなーお前は」
『一体誰のせいよ!!』
灰希は文句を言う私を無視してリビングにいる楓に挨拶をした。
何よ、あの態度!
私がリビングに戻ると灰希は台所でマグカップにコーヒーを注いでいた。
『よく砂糖なしで飲めるね…。私、砂糖無いと絶対無理』
「お前がお子ちゃまなだけだろ。俺はミルク入れて甘さを出してるけど、楓なんか見て見ろよ。ブラックだぜ?」
マグカップの中に注いだばかりのコーヒーを一口飲んで、私の前を横切り楓の前に腰を下ろした。