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テストを終えて、手元に返って来た点数付きの問題用紙。
「今回の居残りは25点以下の者になります」
「やったー!俺26点!!」
「お前50点中でそれかよ」
何とか居残り枠から逃れられてハシャぐ灰希に、クラスのみんながドッと笑う。
「あ、結衣は?お前何気に頭いいから満点か?」
『…いっ点』
「あ?」
『……21点』
「はぁ!?」
ずっと持っていたテスト用紙を灰希に渡した。
赤点なんてとった事がないのを知ってる灰希は、ビックリして用紙の点数に目をやった。
『見間違ったみたいで解答が一個ずつズレてたみたい』
「…居残り確定、だな」
『さよなら、私のアイスクリームっ』
放課後の楽しい時間が消えて頭をコツンと机に乗せた。
長々と続いた居残り授業。
終わったのが18時過ぎだった。
美奈は待ってると言っていたけど、悪いから先に帰ってもらった。
そして、灰希は友達と遊びに先に帰っちゃうし。
『じゃあ、帰ります』
「おう!お疲れさん!」
疲れた私は早々に教室から立ち去った。