幼なじみは俺様王子。




「俺は早川爽(はやかわ そう)。お前の名前は?」


早川……爽クン。


「あたしの名前は、川島穂香…です」


すると、早川爽クンは笑顔をあたしに向けた。


その笑顔は名前通り、とっても爽やかだ。


なぜか胸がキュンと音をたてた。


「同学年なんだし、気ぃ使わなくていいよ?」


「う、うん……爽」


すると爽はニコッと微笑んであたしの頭を優しく撫でた。


ちょ、ちょっと……


そんなことしないでよぉおおおおっ!


あたしは、心の中で悲鳴をあげた。


「……で。穂香は何で泣いてたワケ?」


「えっ、と……」


まさか、学校で噂になってるのに、楓のことなんて言えないよね……。


きっと、信じてもらえないだろうし……。


あたしが言い訳に困ってると、爽の優しい表情が一瞬にして厳しい表情に変わった。


「……もしかして、アイツ?」


「えっ?」


や、やっぱりバレちゃった……?


はぁあああああ。


やっぱりあの噂、結構広がってるんだ……。


なんて返せばいいのか分からなかったあたしは、苦笑いしながら誤魔化した。


「相沢楓、だろ?」


うわぁあああんっ!


やっぱりバレてる(泣)




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