幼なじみは俺様王子。
「……あのさ」
「えっ、あ……うん」
な、ななな、何言われるんだろう……。
あぁああああっ!
もおっ!
静まれ!あたしの心臓っ!
ドキドキと音をたてる胸の鼓動を感じながら、次の言葉を待つ。
「明日の昼休み」
「……えっ?」
あ、明日の昼休み……?
楓が発したのは思いもよらない言葉だった。
「……屋上においで?」
「お、屋上!?」
――プツ。
プープープー
一方的に切られた電話。
「はぁ…」とため息をつきながらも、心のどこかで期待しているあたしがいた。
もしかしたらって。
でも、その嬉しさの裏には、戸惑いだってあった。
楓は何のためにあたしを屋上に呼び出したのだろう……。
愛チャンの言葉と楓の行動には、何か意図がある気がした。