幼なじみは俺様王子。
「だから、仕返ししてやろうと思って楓クンに近づいた。もちろんアナタにもね?」
仕返し……?
愛チャンがの言ってる意味があたしにはさっぱりわからなった。
「……そういうことだったんだな?」
後ろから声が聞こえたと同時に、あたしの頭の上に手がポンッとのった。
「……楓クンッ!」
何事もなかったかのように、楓の腕に抱きつく愛チャン。
――ズキンッ
胸が痛んだ。
見ているのも辛くて、今すぐ目を塞いでしまいたかった。
なにより、楓の反応を見るのが怖かった。
「触んじゃねぇよ」
怒りのこもった楓の言葉が屋上に響いた。
それには愛チャンも驚いた様子で。
すると楓は腕を振り払い愛チャンの胸倉を掴んだ。
「俺に触れていいのは穂香だけだ。わかったらささっと失せろ」
楓のそんな姿は初めてで……。
あたしの胸のドキドキは止まなかった。