幼なじみは俺様王子。
「楓クン……?」
愛チャンが瞳を潤ませながら上目遣いで楓を見つめた。
そんな愛チャンを楓はバカにしたように、フッと笑うと
「お前、バカだな?俺がお前なんかに惚れたと思ったのか?俺はそんなに下らねぇ男じゃねぇ」
そう、冷たく言い放った。
「う、嘘よっ! あたしっ……あの時言ったこと本気よっ!?」
あの時言ったこと……?
「好きにしろ。そんなの俺が守ってやるよ」
……守る?
一体、何を話しているの?
話の意図が掴めない。
「………っ!」
唇を噛み締めてあたしを睨むと愛ャンは屋上を飛び出した。
な、なに……どういうこと?
ふと、楓を見ると楓は優しく微笑んで、あたしをギュッと抱きしめた。
「えっ、ちょ、楓!?」
「穂香、悪かった」
えっ……
「俺、穂香のこと振り回してた。本当にごめんな……」