幼なじみは俺様王子。
「だけど、アイツは現れた」
呆れ顔で話す楓。
……そしてここからが本題。
あたしと楓の関係を怪しいと睨んだ愛チャンは、
楓を屋上に呼び出して、8度目の告白をした。
でももちろん、楓の答えは“NO”。
それが相当ショックだったらしく、楓にすがりついてきたらしい。
『どうしてあの子なの!?』
何度もそう言って泣いていたと言う。
「俺は、桜田がお前に復讐するってことに、とっくに気づいてた」
えっ……?
どういうこと?
楓は妖しい笑みを浮かべ、戸惑っていたあたしの耳元に顔を寄せた。
「王子様の仕掛けた“罠”ってヤツ?」
……わ、罠?
ますます混乱するあたし。
「桜田の目的を知るためにもな?」
愛チャンの……目的?
愛チャンには何かきっと目的があると察した楓は
近づいてくる愛チャンを“わざと”拒まなかった。
そして逆に、愛チャンの思い通りさせるためにあたしを突き放したと楓は言う。
それももちろん、わざと。