幼なじみは俺様王子。
……ヤバい。
嬉しすぎて涙が出てきちゃったよぉ……。
「……っ…うっ…」
あたしが泣いているのに驚いたのか楓はあたしから体を離し、顔を覗き込んだ。
「……どうした?」
いや、いくらなんでも“嬉しすぎて泣いちゃいました”なんて素直に言えないって……。
あたしがずっと黙り込んだままでいると、楓は挑発的に微笑んであたしの耳元で囁いた。
「言ってみ?」
そんな甘い声で囁かれたら、言わないわけにはいかなくなるじゃないぃぃっ!
……負けた。
勇気を振り絞って、口を開く。
「……あたしっ、嬉しくて……」
「……………」
楓は無言のままだ。
やっぱりあたし、変なこと言っちゃったよね……。
あぁああああっ!
恥ずかしさが一気に込み上げてくる。
「楓、ごめんっ!気にしな……」
「……お前さ」
楓があたしの言葉を遮った。
そして、あたしの頬に手をあてて優しく微笑み
「そういうの反則」
あたしに甘いキスを落とした。