幼なじみは俺様王子。
◆王子様とお姫様
――そんなこんなで、一週間が経った。
あれからというもの、愛チャンの陰険な嫌がらせはなくなって、
楓のところにも来なくなった。
楓は家に戻ってきてくれて。
とにかく、一件落着かな。
そして昼休み。
あたしはあーちゃんとガールズトーク中。
「……で、瀬川クンとはどうなの?」
「な、なな、何言ってんのっ!」
顔を林檎みたいに真っ赤にして大袈裟に両手でジェスチャーするあーちゃん。
そんなあーちゃんを可愛いなって思う。
中学の時から、恋愛なんて興味なかったあーちゃんがこんなに瀬川クンにぞっこんするなんて。
考えてもみなかったな。
そう思うと、瀬川クンって案外、凄い人なのかも。
頬が緩むあたしの顔を、あーちゃんは覗き込んだ。
「ひとりでニヤニヤしてんのはいいんだけどさ」
「ん?」とあーちゃんに視線を移すと、あーちゃんは廊下の方を指差した。
「来てるよ、あの子」
あーちゃんの指先を辿ってみると……