幼なじみは俺様王子。




そんなあたしは、いつからか家に帰らなくなり、夜遊びをするようになって。


悪い連中と連んでは、煙草を吸ったり、お酒を飲んだり……。


警察に補導された時もあった。


そんな時は、お母さんが泣きながらあたしを迎えに来た。


帰ってくるなり、お母さんはお父さんに暴力を振られていた。


『お前のしつけが悪いからだっ!』って。


自分だって父親のくせに。


あたしは家を飛び出した。


……もう、知らない。


お父さんもお母さんも知らない。


どうにでもなればいい。

本気でそう思った。


そうして、あたしがたどり着いたのはホテル街。


そこで、知らない男に声をかけられてあたしは、

……抱かれた。


いわゆる、援交ってヤツ。


ヤって、金もらって好きな物買って……


泊まれる場所があればそれでもいい。


そして、その代償はカラダで払う。


そんな生活を一年近く続けた。


男を信じなくなった。

信じられなくなった。


そう……全てはあの男のせいで。




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