幼なじみは俺様王子。




中3になって、あたしはまた学校に行くようになった。


まぁ、もう受験だし。


そんな軽い気持ちで学校に行ったことを、心底後悔することになる。


あたしが教室に入ると、クラスがザワザワとどよめきだした。


『桜田、今頃なんだよ』

『援交してるって噂でしょ?』

『え? マジで?』

『絶対、関わりたくなぁい』


教室中、あたしを非難する声が飛び交っていて。


いてもたってもいられなくて、あたしは教室を飛び出した。


人気のない屋上に来て


泣いて、泣いて……


気が済むまで泣きわめいた。


「……桜田?」


泣いているあたしに、ふと声をかけた男。


「……楓、クン」



それが楓クンだった。


あたしは小さい頃から、楓クンのことがずっと好きだった。


でも、もう何回も振れている。


今更、無理だなって思った。


……けど、気がついたらあたしは


「楓クン……好き」


楓クンの胸に飛びついてそんな言葉を口にしていた。


これが7回目の告白となる。




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