幼なじみは俺様王子。




「あ、あのぉ……愛チャン?」


大丈夫かな……この人。


「今まで本当にごめんなさい。 それと、ありがとうございましたっ!」


ペコリとお辞儀した愛チャン。


「あたし、もう邪魔はしませんっ! 穂香センパイを見習いますっ!」


…………??


「だけど、何かあった時にはすぐに、楓クンを奪いにいきますからねっ!」


「は、はぁ……」


……み、見習うって言われても。

なんかよくわからないけど……



「じゃ、またっ!」


愛チャンは最高の笑顔であたしに微笑むと資料室から出て行った。


――ガラガラッ


「……はぁあああああ」


重いため息をつく。


なんだか、疲れがドッと押し寄せてきた。


でも、これからは愛チャンに嫌がらせされることもないんだ。


そう思うと心が軽くなった。


愛チャンとはいい友達になれる気がする……。


なんて思うあたしは、やっぱりお人好しかな?


愛チャンの笑顔を思い出して、あたしは笑みを浮かべた。



――これから波乱万丈の出来事が待ち受けているなんて

知るはずもなく……。




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