幼なじみは俺様王子。
《step☆5》
◆チョコレートは恋の味
「愛チャンって、いまいちキャラが読めないんだよね」
「そうか? 俺にはただの性悪女にしか見えねぇけど」
今は、視聴覚室で楓と密会中。
最近はこういうことが増えてきた。
やっぱり楓は王子様だから、付き合ってることは秘密にしないといけないし……。
それなのに楓ときたら……
「学校でも穂香といたい」
……なんて甘い言葉を言うもんだから。
だから、あたし達は学校では秘密で会うことにしている。
それで、この間の愛チャンとの出来事を話していたのだ。
「まぁ、これで一安心だな」
楓があたしの頭を撫でながら優しく微笑んだ。
――ドキッ
ちょっとそれ、心臓に悪いってぇええっ!
ドキドキする胸をおさえながら、ふと楓を見ると、
楓は思い立ったように、声を上げてあたしを見つめた。
「ところでさ」
「ん?」
「もうすぐで旅行だよな」
……へっ?
り、旅行?