幼なじみは俺様王子。



「俺達も乗っていい?」


そこにいたのは、満面の笑みを浮かべる瀬川クンと……


「…………」


不機嫌オーラ全開の楓の姿だった……。


な、なんでよりによってこんな時に……


ど、どどど、どうしよう……


「って言ってるけど…どうする?」


あーちゃんがあたしに、問いかける。


「え、あ…うん」


まさか“ヤダ”とは言えないあたしは、頷くしかなかった。


楓達が乗り込んであたしが“閉”のボタンを押そうとした時……


「穂香、おいで?」


ふと、あたしを呼ぶ声が聞こえた。


えっ……?


声のした方に視線を向けると……


「……爽」


黒髪をなびかせながら、爽がエレベーターの前に立っていた。


……ま、またもこんな時に。


はあ…楓といい、爽といい、タイミングが悪すぎる。


今日の占いが最下位だったわけはこれか……



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