幼なじみは俺様王子。
◆エッチな狼王子
それからあたしは自分の部屋に戻り、あーちゃんに全てを話した。
「つまり、嫉妬ね」
あーちゃんは、わかりきったような顔でさらりと答えた。
「し、嫉妬……?」
楓は、あたしが爽に抱き締められてるのを見て、嫉妬したってこと?
「王子が嫉妬なんて、なんか柄じゃないわ」
あたしはコクンと頷く。
「でも、それだけ愛されてるってことよ」
「うん……」
するとあーちゃんはいきなり険しい表情になった。
「でも、早川爽が言った“アイツに負ける”ってどうゆうことかしら?」
あーちゃんは、顎に手を当てて考え込む。
――『悔しかったんだ。アイツに負けるのが』
エレベーターの前で爽は確かにそう言ってた。
その言葉には何か深い意味が込められている気がして……。
気になって、気になって仕方なかった。
「でも、早川爽に聞くのが一番早いかもしれないわね」
「そうだよね……」
「……でも」とあーちゃんは続ける。