幼なじみは俺様王子。
するとあーちゃんはタコみたいに顔を真っ赤にして、明らかに動揺しているようだ。
「な、なんにもないわよっ!」
「絶対ないんだからっ!」とあたしに言い聞かせてるけど、その表情は嘘バレバレ。
「本当にぃ?」
不気味な笑みを浮かべてあーちゃんの顔を覗き込む。
「……わかったわよ」
「はぁ…」とため息をつきながらも、あーちゃんはは渋々話し始めた。
「あのね……」
―――――………………
――トントンッ
テレビを見てくつろいでいた時、扉をノックする音がした。
……ん?
誰だろう……。
穂香かな?
「はぁいっ!」
穂香かと思って勢いよく扉を開けた。
「ずいぶんご機嫌だね」
え……
な、なんでここにいるの?
そこにいたのは、普段じゃあまり見慣れない私服姿の湊斗だった。
「な、なんで……」
「……ん?」
開いた口が塞がらないとは、こういうことを言うんだと思う。
首を傾げて微笑む湊にドキッとした。
「亜沙子に会いにきちゃった」
そう言って、いたずらっ子みたいに舌を出す湊斗に、
なぜか、胸が高鳴った。