幼なじみは俺様王子。
「入っていい?」
「……う、うん」
ドキドキ……
な、なんか緊張しすぎて心臓が爆発しちゃいそう……。
部屋に入って、ふたりで座布団に座る。
さっきまで笑いながら見てたテレビも今は、全く耳に入らない。
「「………………」」
ふたりの間に流れる沈黙。
「……俺」
その沈黙を破ったのは湊斗だった。
「もう無理……」
「へっ?」
湊斗はそう言うと優しくあたしを抱き寄せた。
「亜沙子……」
耳元で囁く湊斗の吐息であたしの体温は一気に上昇。
ひゃあああああ……。
「み、湊斗……」
「だめ?」
なんて答えていいかわからなくて、あたしは下を向いた。
付き合いはじめてもう3ヶ月が経つ。
だけど、キス止まり。
それも1回だけ。
当然、エッチなんて未遂ですらしてないんだ……。
あたしだって興味はあるけど……
「い、いよ……」
気づいたらそんなことを口にしていた。
湊斗は驚いた顔をして、あたしの顔を覗き込む。
「無理しなくていいよ?」
その言葉にあたしは何度も首を横に振った。