幼なじみは俺様王子。




キスが降ってきた。


だけど、ちょっぴりほろ苦くて……。


きっと湊斗の飲んだコーヒーのせいだと思う。


キスはどんどん激しさを増して。


湊斗の舌があたしの唇を割って入ってきた。


「んっ…ふぁ……」


「亜沙子…可愛い」


キスは止まることを知らない。


あたしはほろ苦く、けれどとっても甘いキスに酔いしれていた。


「……でも」


そう言うと突然、湊斗は唇を離した。


「今日はここまで」


「……へっ?」


あたしの唇に人差し指をあてて、優しく微笑む。


「こんなところじゃ朝まで楽しめないだろ?」


「あ、朝までって……」


「だから」


あたしの耳元に顔を近づけて囁いた。


「本番は家で、な?」


「な、ななな……」


動揺しまくりのあたしに湊斗はクスッと笑って、頭を優しく撫でた。


「じゃ、おやすみ」


そしてあたしの額に軽いキスを落として、部屋を出て行った。


――ガタンッ


「はぁああああ……」


扉が閉まった途端に力が抜けて、あたしは呆然と座り尽くしていた。



―――――………………





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