幼なじみは俺様王子。




「な、ななな……」


魚みたいに口をパクパクとさせるあたし。


……でも、見惚れていたのはホント。


楓クンがエプロンをつけ料理を作る姿は、悔しいけどカッコよくて絵になる。


「カ、カレー早く食べよっ!」


「お腹空いちゃったよ」とお腹をさすって照れ隠しした。


すると楓クンは意地悪な笑みを浮かべた。


「俺はカレーより、穂香を食いたい」


瞬間、あたしは楓クンに抱き寄せられた。


な、ななな…なんて大胆なこと言うのよぉおお!


つ、つまりあたしと……


考えるだけで体中が熱くなった。


「ちょ、ちょっと…」


あたしは少し泣きそうになりながらも上目遣いで楓クンに訴えた。


だけど、その訴えは楓クンには逆効果で……。


「その顔、そそる」


「は、はぁ!?」


どう考えたらそうなるのよぉおお!




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