幼なじみは俺様王子。
グループの真ん中にいるリーダー格であろう巻き髪の女の子がキツい口調であたしに話かけてきた。
「放課後、ちょっと来てくれない?」
話の内容は、大体予想がつく。
きっと楓のことだろう……。
――『コイツ、俺の』
この間、爽に向かってそう挑発したから。
こういうことになるのは覚悟していた。
「じゃ、放課後にね?」
女の子達は意味ありげに口端を上げて笑うと、あたしの元から去って行った。
――放課後。
憂鬱な時間はあっという間にやって来た。
きっと愛チャンの時みたいにひっぱたかれるに違いない。
釣り合わない、って。
そう思うだけで、胃がキリキリと痛くなった。
連れてこられてのは、人気のない北校舎。
あたしの前に立ちはだかる女の子達。
まるで、逃げられないよと言ってるみたいに……。
「ねぇ、王子と付き合ってるの?」
唐突な質問に体がビクッと動く。
目を泳がせているあたしに、複数のキツい視線が注がれた。