幼なじみは俺様王子。




「あ、あのっ、これは……」


目を泳がせて動揺している女の子の手を振り落とすと爽は女の子達を睨みながら言った。


「俺、コイツはお前らなんかより断然、可愛いと思うぜ?」


「な……っ!」


女の子達は目を見開いて驚いたような素振りを見せる。


「今度コイツに手出したら、お前らの顔ズッタズタにしてやるよ」


ニヤリと笑って、巻き髪の女の子に詰め寄った。


「整形しても治んねぇくらい、ひっでぇ顔にな?」


女の子の顔がみるみるうちに青ざめていく。


「……い、行くわよっ!」


巻き髪の女の子がそう言うと、他の女の子達も逃げるように立ち去って行った。


「大丈夫だったか?」


力なくコクンと頷くあたしに、爽は優しく手を差し伸べる。


その手に掴まった瞬間、体が宙に浮いて気づいた時には爽の腕の中にいた。


「怖かったよな…もっと早く来れなくてごめん……」


抱き締める力がグッと強くなる。


「……泣けよ。俺しか聞いてねぇから」


そう言って優しくあたしの背中をさすってくれた。





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