幼なじみは俺様王子。
「早く入れよ。俺の部屋、そこだから」
そう言って、爽が指差した部屋は玄関から一番近い部屋。
「今、着替え持ってくるから」
先に入ってろ、と言わんばかりに爽は部屋の扉を開けるとリビングへと行ってしまった。
初めての男の子の部屋。
なんだか緊張するなぁ……。
激しく脈を打つ鼓動をおさえながら、あたしは爽の部屋に足を踏み入れた。
白と黒のモノクロで統一されたシンプルな部屋。
天上にはキラキラと輝くシャンデリア。
部屋の真ん中には、大きい液晶テレビとお洒落な猫足のテーブルが置かれていた。
な、ななな、なに…これ。
この部屋、爽の部屋なの……?
とても高校生の部屋には見えないんですけど。
ど、どこに座ろう……
ソファーに座るのはちょっと図々し過ぎるよね……。
かと言って、ベッドなんて以ての外だし……。
迷いつつも、あたしはフカフカのカーペットに腰を下ろした。