幼なじみは俺様王子。
口をパクパクさせているあたしを見て楓クンはプッと吹き出した。
「相変わらず、いっぱいいっぱいだな?」
な、なななな……
大体こんなのに慣れてる方がおかしいのよぉおおおお!
でも、楓クンに対するあたしの気持ちって何なんだろう。
幼なじみ?
ルームメート?
それとも……
自分でも分からない。
まだ、この気持ちに名前を付けることは出来ない。
「……あっ」
そんなことを考えていたら、重要なことを思い出した。
7月11日って学校だよね……。
「ねぇ、楓クン」
「なんだよ?」
楓クンは不思議そうに、あたしの顔を覗き込む。
「11日って学校だよね? ……どうするの?」
あたしが聞くと、楓クンは、怪しい微笑みを浮かべて言った。
「決まってんだろ?
ふたりだけの秘密だ」