幼なじみは俺様王子。
“ふたりだけの秘密”
秘密って、なんかイケないことをしている気持ちになる。
楓クンとあたしだけが、知っているコト……。
ちょっぴり胸が疼いた。
旅行、楽しみだな。
11日まで、あと2日。
この旅行で楓クンとの距離が縮まるといいな……。
夜、あたしはワクワクして、なかなか眠りにつけなかった。
――――――……………
「……わかったっ!」
あーちゃんは拳を手のひらでポンッと叩いた。
頭の上には豆電球が浮かんでるよね、絶対。
「な、なにが?」
あたしが尋ねるとあーちゃんは待ってましたと言わんばかりに目をキラキラと輝かせながら言った。
「……あっ。でもこれ言っちゃったら駄目かも」
「なんで!?」
「穂香ぁ、自分の目で確かめなきゃ駄目なこともあるのよぉ~」
あーちゃんはニヤニヤと笑いながら、鞄を手にかけた。
「えっ、あーちゃん帰るの!?」
「今日はサボリっ!じゃあーね穂香。あっ、旅行楽しんでね?」
あーちゃんはルンルンとスキップしながら教室から出て行った。