幼なじみは俺様王子。
……よし!
女に二言はないっ!
意を決して、あたしはワンピースを手に取りレジへと向かった。
――チャリンッ
「ありがとうございました!」
つ、ついに買っちゃった……。
あたしの手には、ピンク色で彩られた可愛いらしいショップ袋。
そしてその中には例のワンピースが入っている。
いやっほぉおいっ!
むふふ……嬉しすぎてニヤけが止まらないよ。
ルンルン気分でスキップしながらあたしはお店をあとにした。
――ガチャ
「ただいまぁ」
あたしが玄関を開けると既に楓クンは帰ってきていた。
リビングに行くと、ソファーに座りテレビを見ながらくつろいでいる楓クンの姿。
「穂香、おかえり」
楓クンはニッコリとあたしに微笑んだ。
「今日、何で早退したんだよ?」
ギクッ……
楓クン知ってたんだ……。
そ、そうだよね。
同じクラスだもん、分かっちゃうよね。
「あ、それがね~……」
「言っとくけど、俺に嘘は通用しないからな?」
な、なんで嘘つこうとしてるのわかったのよ……
ホント、エスパー相沢。