幼なじみは俺様王子。
それから楓クンの機嫌はすっかり直り、ご飯を食べてお風呂に入って、今はベッドの中。
楓クンはまだ荷造りが終わってないみたいで、1階で物音が聞こえる。
楓クンと旅行……。
楽しみだなぁ。
で、でも同じ部屋で二人っきりなんて危険すぎる。
襲われたりなんてしたら……。
とは言っても、“準備しとけ”って言われたし……。
ということは、やっぱりエッチするのかな……?
っていうか、その前に楓クンとあたしって付き合ってないよね。
それなのに何で……
“好き”と言われたわけでもないのに、心のどこかで期待しているあたしがいて。
カラダだけの関係なんて絶対にヤダ。
エッチって愛があるからするもの……だよね?
もう、ワケが分からなくなってきた。
とにかく、このことは忘れよう。
考えていたって仕方ないもんね。
あたしはウキウキした気持ちと、まだ名前のつけられない気持ちを抑えながら、静かに目を閉じた。