幼なじみは俺様王子。
「早く支度しろよ」
楓クンのその言葉を合図にあたし達は支度を始めた。
――1時間後
「さてと、まずはココだな?」
楓クンに引っ張られて、連れてこられた場所。
そこはお寺のようだ。
でも普通のお寺とはなんだか違う。
ハート型のネックレスやキーホルダー……。
『恋愛成就』と書かれたお守りまで売っている。
なんだ……お昼ご飯食べるんじゃないんだ。
てっきり、ご飯を食べに行くんだと思っていたあたしは心底ガッカリした。
「そんなに腹が減ってんのか?」
「……へぇっ!?」
いきなりの言葉に驚くあたし。
それよりも楓クンのエスパーぶりに驚いた。
な、なんであたしの思ってること分かるわけ!?
……楓クンには何も隠せないような気がする。
「だ、だめかも……」
グーッと音をたてるお腹をさすりながら楓クンを見ると、楓クンはブッと吹き出した。