幼なじみは俺様王子。
胸がギュッと締めつけられた。
楓クン……そのためにあたしをここに連れてきてくれたんだね。
すると楓クンは、優しく笑った。
まるで“王子様”のように。
「ネックレス、つけてやるよ」
そう言うと小さな箱 からネックレスを取り出してあたしにつけてくれた。
あたしの首元に輝くキレイなネックレス。
単純に嬉しかった。
プレゼントもそうだけど楓クンの気持ちが。
誕生日を覚えていてくれて、プレゼントまで買ってくれて。
その気持ちが何よりも嬉しかった。
「お前、泣いてばっかだな?」
「だって楓クンが……」
「楓って呼べよ」
あたしの言葉を遮った、楓クン。
恥ずかしかったけど、勇気をふり絞った。
「楓……」
すると楓は驚くほどに優しく微笑んで
「よく出来ました」
あたしの頭を優しく撫でた。