幼なじみは俺様王子。
……ていうか。
どうしてマイホームなんて買うのよぉおおおお!
てか、そのくじ運のよさは一体なに!?
戸惑いもあるけどきっとあたしは嬉しさの方が大きいと思う。
だって楓と2年間もいられるんだもん。
嬉しすぎて思わず笑みがこぼれる。
すると後ろから整った顔に覗き込まれた。
「なにひとりでニヤニヤしてんだ?」
「……じょばっ!」
か、かか、楓っ!
もお、いきなり現れないでよぉ。
心臓に悪いって……。
「ぷっ。お前なんつー声出してんだよ」
あたしの反応がよっぽど面白かったのか、楓は腹を抱えて笑っている。
「……だってねっ!」
聞いてと言わんばかりにあたしは楓の両腕を掴んだ。
「ん?どうした?」
「お、お母さんがマイホーム! で、ハワイは宝くじ」
興奮のあまり、意味深な発言をしたあたし。
「……お母さんがマイホームって、どんなんだよそれ」
楓は呆れ顔であたしを見ている。
「順を追って話せ」
それからあたしは楓にきちんと説明した。