幼なじみは俺様王子。

◆金髪王子とkiss





リビングで雑誌を見ているあたしに対して、楓はというと……


「……な、なんで裁縫!?」


そう、あたしの破れたハンカチを丁寧に訂正している。


あたしでも苦手な裁縫。


っていうか、裁縫なんて全く出来ないよぉ。


これってもしかして今流行りの乙女的男女ってヤツ?


「お前、破れたまま使ってんだから仕方ないだろ」


バカか、と呟きながらもまた針を布に通していく。


「そ、そんないいよっ!」


あたしが楓の手を止めると、楓は案の定……


「お前は黙って見てりゃいいんだよ」


と、言いました。


はぁああああああ。


あたしってとことんさえないヤツ……。


普通、女の子なら裁縫くらい出来なくっちゃね。


だけど、家庭科の成績なんて、いつもアヒルさん。


それ以上でも、それ以下でもない。


それに比べて楓は……

「俺は、オール5だけど?」


……うん。

楓ならあり得るよね、それ。





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