幼なじみは俺様王子。
『話したいことがあるの。今から会えない?』
あーちゃんが電話してくることなんて滅多ないことで。
それにあーちゃんが話したいことって……。
あーちゃんは、付き合ってる人も好きな人さえいないっていっつも言っていた。
だから相談を聞いてもらうのはいつもあたしで……。
そんなあーちゃんが話したいことって一体なんだろう?
「大丈夫だよ。どこに行けばいい?」
もちろん、断る理由はなかった。
あーちゃんの一大事だもん。
話、聞いてあげなきゃね。
すると、あーちゃんは安堵した声で
『じゃ、いつものカフェで待ってるね』
そう言って電話を切った。
あーちゃん……
「楓、ちょっと出かけてくるね」
あたしの態度を見て察したのか、楓は
「気をつけてな」
と、一言だけ言った。