幼なじみは俺様王子。
あたしの表情を見て、あーちゃんは心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
「……なんかあった?」
「あのね……。あたし、楓と付き合ってるのか分からないんだ……」
すると、あーちゃんは首を傾げ
「どういうこと?」
と、あたしに尋ねた。
「付き合うとか、そういう話はしてないの。ただ好きって言ってくれただけ……」
「そんなの関係ないわよ?」
あーちゃんがあたしの言葉を遮った。
「あたしだってそうよ。好きって言ったら俺もって言ってくれただけよ?それでもあたし達は付き合ってるんだって思ってる」
あーちゃん……。
「あたしは湊斗を信じてるから」
あーちゃんの言葉は心にジーンときた。
「だから、穂香も王子を信じなきゃ。ねっ?」
「あーちゃん……ありがとう」
あたしがそう言うとあーちゃんは、満足そうにニッコリと笑って
「それでこそ穂香よっ!」
あたしの両肩を両手でポンポンとたたいた。