幼なじみは俺様王子。




「その時は浴衣着て行かなきゃあ」


むふふ……なんて不気味な笑みをこぼすあーちゃん。


はぁ、とため息をつきながらあーちゃんを見つめるあたしも、実は楽しみだったりする。


「ねぇ、穂香も行くでしょ!?」


あーちゃんは物凄い勢いであたしに突っかかってきた。


「う、うん。行く」


「じゃ、決定!詳しいことはまた話そっ!」


あーちゃんはこれから瀬川クンとデートらしい。


「わかった!じゃ、またね!」


あたし達はカフェを出て手を振って別れた。


帰り道、あたしはバックを腕に抱いて、ゆっくりと歩いていた。


あーちゃんがデートだなんて


考えてもみなかったな。


そんなあーちゃんはとても新鮮で。


自分のことでもないのになぜか胸がドキドキした。


あーちゃんと瀬川クン、なんか意外なコンビだけど、

お似合いなんだろうな、きっと。


あーちゃんと瀬川クンを想像しながら、あたしは笑みをこぼした。





< 76 / 267 >

この作品をシェア

pagetop