幼なじみは俺様王子。
「その時は浴衣着て行かなきゃあ」
むふふ……なんて不気味な笑みをこぼすあーちゃん。
はぁ、とため息をつきながらあーちゃんを見つめるあたしも、実は楽しみだったりする。
「ねぇ、穂香も行くでしょ!?」
あーちゃんは物凄い勢いであたしに突っかかってきた。
「う、うん。行く」
「じゃ、決定!詳しいことはまた話そっ!」
あーちゃんはこれから瀬川クンとデートらしい。
「わかった!じゃ、またね!」
あたし達はカフェを出て手を振って別れた。
帰り道、あたしはバックを腕に抱いて、ゆっくりと歩いていた。
あーちゃんがデートだなんて
考えてもみなかったな。
そんなあーちゃんはとても新鮮で。
自分のことでもないのになぜか胸がドキドキした。
あーちゃんと瀬川クン、なんか意外なコンビだけど、
お似合いなんだろうな、きっと。
あーちゃんと瀬川クンを想像しながら、あたしは笑みをこぼした。