幼なじみは俺様王子。
◆浴衣はいかが?
数日後。
あれから楓に花火大会のことを話したら、楓は笑顔で“YES”の答えを出してくれた。
楓との初デート。
考えるだけで胸が躍った。
――そして今日は花火大会当日。
待ち合わせは夕方6時だ。
もうそろそろ準備しようかな……。
時計が4時を指したところで、あたしは一息をつき準備を始めた。
「うっ……」
胸まである栗色の髪 をアップにして、メイクも今日は少し派手目にした。
雑誌を見て、一生懸命研究したメイク。
なんとか上手く出来た……かな?
でも、問題はこの浴衣。
旅行の時も思ったけれどあたしにはどうも浴衣という代物は似合わないらしい。
黒地にピンク色の桜がついた可愛らしい浴衣。
帯は濃いピンク色。
レースが袖や首元についていて、本当に可愛いい。
お父さん達がハワイから送ってくれた仕送りで奮発して買ったものだ。
だけど……
に、似合わないかも。
……はぁあああああ。
鏡で見る、自分の浴衣姿にため息がでる。
あーちゃんは美人だから浴衣とか似合うんだろうなぁ……
あーちゃんの浴衣姿を想像して、一気にあたしのボルテージが下がった。