幼なじみは俺様王子。
――ガタンッ
楓があたしの隣に座った。
瞬間、ふわりと甘い香りがあたしの鼻をくすぐる。
今すぐにでも、触れたいと思ってしまった。
矛盾した思い。
自分から“秘密の関係”にすると決めたクセに。
矛盾しすぎてるよ……。
でも、あたしは楓に溺れてる。
それはもう、自分ではどうしようもないくらいに。
ブーブーブー
すると突然、ブレザーのポケットで携帯が震えた。
【新着メール1件】
【Frm 楓】
【Sb:】
昼休み、理科室においで
―――END―――
驚いて楓の顔を見ると、パチッと目があった。
人差し指を唇にあてて、意地悪に微笑む楓は、本当に王子様みたいで。