ココロ
「あ、おはようミヨさん。もう少ししたら起こしに行こうと思っていたんだけど…」
「ねえ拓海さん、裕ちゃんは?」
「裕也なら昼まで寝るからって今部屋に行った所だよ」
「あらやだ、また裕ちゃんのお顔見れないじゃない。私ちょっと裕ちゃんにおやすみって言ってくるわ」
「え!み、ミヨさん…!」
そう言ってお母さんは、お風呂場から戻ってきたお父さんと入れ違うようにしてリビングから出て行った。
お母さんてば裕也のこと大好きだからな…なんて、母のこと背中を見送りながら私は1人朝食を食べ進める。
相変わらずお父さんのホットケーキは何もかも絶妙の美味しさだ。
そんなことを考えていると今度はさっきから扉の所で突っ立っている父の存在に気付き視線を向ける。
…そして次の瞬間、私は思い切り顔を引き攣らせることとなった。
「…あの糞餓鬼、シめる」
「……。」
お父さんはギリギリと拳を握り締めて怖い顔で笑っていた。
…お願いだから実の息子相手なんかにヤキモチ妬かないでよ……。