ココロ


「おはよーう」
「あ、シンちゃん!」



教室に入ると、中で既に登校していた数名のクラスメート達が何やら集まって深刻そうな話をしていた。
なんだろう?と首を傾げているとそんな私に駆け寄ってきたのはまどかちゃんだった。








「シンちゃん、大丈夫だった?何も無かった?」
「え?」
「今日も1人でバスで来たんだよね?だから私シンちゃんのことが凄く心配で…」
「ちょ、ちょっと待ってまどかちゃん。何?何かあったの?」
「え、シンちゃんあのニュース見てないの?」





ニュース…?
そういえば今朝は裕也の騒ぎであまりテレビなんか見ている余裕は無かった。
私はまどかちゃんの言葉にコクリと頷くと、まどかちゃんは何やら悲しげにその綺麗な眉をハの字に下げた。







「実は…うちの2年の先輩がね、黒鷹高校の生徒に暴力奮われて…重傷で今入院してるらしいの」
「ええ!?」
「犯人は捕まって無いらしいんだけど…目撃者がいたおかげで相手が黒鷹の生徒だって解ったみたい。しかもその場所が、シンちゃんが使ってるバス停の近くみたいだったから…」
「そ、そうだったんだ」






…そういえばボーッと考えごとしながら歩いてたから気にしなかったけと、今日は確かにうちの教師が何人か見回りしてたような気がする。
にしても……


「(また黒鷹か…)」

一日に二カ所で事件を起こしてるなんて…やはり、よっぽどヤバい学校なんだなと思った。






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