ココロ
遭遇
「おーい」
「ひっ!」
いつの間にかもう目の前にいた、彼。
私は思わず息を飲むが、しかしその時初めて気付いた…その目の前の彼が纏う、何やら不良らしからぬポヤポヤとした雰囲気に。
派手な髪色だが近くで見ればクルんクルんと跳ねる線の細い髪が彼の全体の印象を可愛らしく見せている。
目の前に立った彼は立ち尽くす私の顔を覗き込むようにコテンと首をかしげた。
「なーにしてんの、アンタ」
「え…っと」
「その制服桜ヶ丘だろー?駄目だなあ、1人でこんなとこウロウロしてちゃ。昨日ここで何あったか知らないわけ?」
「し、知って…ます」
背も高いし、たぶん年上?とか思いながら。
そして何故か見ず知らずの不良に説教されちゃってる自分に首を傾げる。
何なんだろう、この人。