君の詩が色褪せても
オレらが美女作家の想像膨らませ過ぎてただけかもしれないけど…―
「ヲタクっぽいイメージが強かったんでしょ?」
「まっ…まぁね」
苦笑いする律壱。
「よく言われるもん。仕事が忙しくて身だしなみに気を遣えない時なんか特に」
「そーなんだ…」
「元々暗い顔だし、猫背だし、しかもチビだし」
話ながら落ち込んでいく弥生。
「でも、今日はちゃんと化粧してるじゃん」
「………」
「洋服も前より明るいし」
「……ひっ暇なだけだよ」
フォークでサラダを突く弥生。
気まずい空気が流れた。
「あれ?」
どこかで聞いた可愛らしい声。
律壱と弥生が振り向くとそこには愛里子の姿が。
「お前ら何やってんの?」
その後ろから不思議そうに日和が顔を出した。
「飯だけど…そっちこそ何で?」
「こっちも飯だよ…」
更に微妙になる現場。
「ラーンチ!」
愛里子が嬉しそうに言葉をはずませて弥生の隣に座った。
「あ…一緒でもいい?」
弥生に尋ねる日和。
「どーぞ」