君の詩が色褪せても
目が点になる弥生。



「中学生みたいな感じ」


なに…―


「ホントだ!お肌もツルツルだね」



「セーラー服とかのコスプレ似合うんじゃね?」


なに…―


「可愛い〜♪」



「つーか、外に出るとき位は化粧したら?」







してるわよ!―




「バカッ!」


弥生は真っ赤な顔に泣きそうな瞳でおもいっきり叫ぶと、律壱と反対方向へ走り去っていった。


メガネを日和の手の中に残したまま。




「……オレ、何か悪いこと言った?」


ポカンとして愛里子に尋ねる日和。




「日和は乙女心が分かってないなぁ〜」



「お前だって調子こいておだててたよな…」

冷たい視線を送る日和。



「愛里子はわざとだもん」

ニコっと微笑む愛里子。



「わざと?」





なんだよソレ…―







"愛里子は弥生さんの味方"


愛里子は日和に隠れて、ひっそりと秘密手帳に書き足した。


















「あれ?先生、お帰りなさい」


「…たっ…ただいま」



「服部律壱に食事に誘われるなんて、さすが先生」



「だから…先生はやめて」

頬を赤らめながら声をとがらせる弥生。
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