君の詩が色褪せても
弥生の顔を覗き込む日和。


「なっ…何…?」


少し頬をピンクに染めながら顔を背ける弥生だった。


「今、裸眼?」



「へっ?」


「目、見えてんの?」



「…コンタクト…してるから…」



「持ってたんだコンタクト」


「うん……」




「じゃあ、何でいつもコレかけてんの?お洒落メガネなら解るけど」

日和は持っていたメガネを弥生に渡した。



「別に…理由は…」


「ないの?」


弥生はコクリと頷く。




「だったらコレ止めた方がいいよ」


「何で?」


「あんた顔小さいし、鼻低いからメガネずれ落ちてるときあるもん」


「鼻低い…」


「ワリ…そこ忘れて」




別に自分で分かってるからいいけど…―




「それに、メガネのせいで顔が暗く地味に見えるんだよね」



「……暗く地味だと変?」


「変っていうか、勿体ないじゃん」



「何が勿体ないの?」


ずっと顔を背けていた弥生がようやく日和の方を向いた。

首をかしげて日和の目を見つめる弥生。



何が…―



「…だから…」



何だよ…―



「それは…」



ドキッ―

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