君の詩が色褪せても
「あっ…」
「どうしたの?」
「愛里子だよ!」
急に立ち上がる日和。
「愛里子ちゃん?」
「あんた、愛里子のこと服とか化粧とか色々可愛くしてくれたじゃん」
「うん…」
「そーゆーこと、自分にはしないの?」
「…それは…」
笑われるだけ…―
私は…―
「自信がないの」
「自信?」
「あーゆーお洋服とか大好きだけど、憧れるけど、私の場合はきっと笑われて終わりだもん」
「そんなこと…」
「勇気がないの!」
日和の言葉を珍しく大きな声で阻止する弥生だった。
「止めよう、この話」
日和は唾を飲んで小さく頷いた。
「そういえば、今日愛里子ちゃんは?」
「あー、誘ったんだけど具合が悪いから行きたくないって」
「具合悪いの?」
「よく解んねぇけど、妖精だから病院には行きたくないって言うし…本人は平気だって言ってるけど記憶喪失と関係あるのかな?」
「私…お邪魔しようか?」
ボソッと尋ねる弥生。
「ん?」
「ほら、女の子特有の悩みかもしれないし…愛里子ちゃん、私になら話してくれるかも」