君の詩が色褪せても


「オレ、その甘ロリとゴスロリの違いがよく解らないんだけど」

頭をかく日和。


「オレも」



弥生が服を手に取る。

「甘ロリはね、スイートロリータのことで、色は白とかピンクとか水色みたいなカラフルで可愛い感じなの。プリントもイチゴだったりプードルだったり、それこそ不思議の国のアリスをイメージしたものが多いんだ」


「「へぇ〜」」

熱心に服を観察する2人。


「で、ゴスロリは?」


「ゴスロリはゴシック&ロリータ。色はモノクロで悪魔や堕天使のイメージかな?スカルや十字架、蜘蛛の巣に血痕とかダークな感じ。ちょっと昔にヴィジュアル系のバンドとか流行ったじゃない、あーゆー風なロリータかな?」


弥生はいつもより冗舌に、そして楽しそうにイキイキと話していた。



「弥生さん、着ないの?」

律壱の言葉に凍り付く日和。




「…ホントは…着たいのかな」

ワンピースを手に取り、どこか懐かしそうな表情で呟いた。


昼間の日和に対しての反応とは違うもので、日和はなんとなく不満気に口を尖らす。




「着てみれば?」

律壱が軽く話す。




「…ダメ…勇気がないもん」

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