君の詩が色褪せても
「違うの…。本当に解らないんだ…」
律壱は首をかしげる。
「確かに、日和くんのファンではあるの。日和くんの最初の詩に出会ったときから本当に大好きになって、アイドル扱いされてる時も彼のことが凄く心配で、律壱くんと2人で活動し出してからも大好きで…」
「それは、ファンとしてなの?」
口を挟む律壱。
「解らない。大好きだったのは確か、日和くんの恋人になりたいって思ったこともある、誰かに奪われるなら誰のものにもならないでと思ったことも…。だから日和くんと一緒に仕事がしたくて頑張って…夢が叶って…嬉しくて…」
興奮しながら吐き出すように喋る弥生だった。
「実際、日和と会って、その気持ちはどうなったの?」
確信に迫る律壱。
「………」
戸惑いながら答えを探す弥生。
「だって弥生さん、初対面で日和に散々言われたのに今もこうして奴に親切にしてるなんて、あなたの性格からしたら考えられないよ」
「…そうなの…普通なら私、逃げてた…あんな冷たい言い方されたら…いくらファンで大好きな人だったとしても、二度と会いたくなくなるはずだった」
「弥生さん、それって恋してるからなんじゃないの?」