君の詩が色褪せても
「あっ…最初に会ったのは公園だった」
「公園?」
運命感じたから…
「オレが走ってる公園、お前んちに行く途中の海辺にある」
「ああ…そこか」
「それって、眼鏡返してくれた…あの公園?」
頷く日和。
「とにかく、手分けして探すか」
「じゃあ、私は原宿方面行ってみるね」
「弥生さん、仕事は?」
玄関に向かう弥生に尋ねる日和。
「心配で、仕事にならないよ…」
「……」
日和は返す言葉が見つからず、部屋を出ていく彼女の背中を見送った。
「オレはファミレスとスーパー見てくるわ。お前、公園行け」
日和にそう告げ、急いで靴を履く律壱。
「なぁ、律壱…」
「ん?」
「昨日、弥生さんと一緒だったのか…」
「……」
動きが止まる律壱。
「彼女、服が同じだった」
呟くような小さな声。
律壱は冷たい視線を背中に感じた。
「だったら…何?」
「一緒にいただけ?」
律壱はため息をついた。
「寝たよ」
律壱はハッキリと言葉を流した。