君の詩が色褪せても
『そして神酒ネクタールを三度振りかけた。その時かけた酒が下界に零れ、そこにアイリスが咲いたと言われているわ』
『…素敵…』
『イリスは虹の女神となって、地上と天上を結ぶ虹の橋を渡って使者をつとめたの』
私は感心することしか出来なかった…―
『だから、アイリスの花言葉には、よき便り、恋のメッセージ、使者等があるわ』
『恋のメッセージ…』
『他にも、神秘的な人、変わりやすいなんて花言葉もあるのよ』
『…すごい…ですね…』
『でも、私が一番気に入ってるのはこの言葉』
あなたを大切にします―
『プロポーズの言葉だったわ…アイリスと一緒に、届けてくれた…』
その時、店員さんの目に涙が光った気がしたの…―
『その詩、すごく素敵な詩よ。読んでみなさい』
アイリス―
植杉 日和―
私は、その冊子を貰って、家で何度も読み返した―
イリスを頭に描きながら―
そして…
恋に落ちた…―
その詩に……―
植杉日和、一体どんな人なんだろう?…―